岩手県山田町 傾聴ボランティア(行茶)活動報告 13日

新川師報告

山田町での行茶活動、13日は前日同様、鹿児島・熊本・長野の曹青会員で、お世話になっている龍泉寺様の本堂の清掃から一日がスタート。方丈様と朝課の後、実は来訪時から目に付き気になっていた、奥の位牌堂に並んだご遺骨、その数44霊。
すべてこの震災で亡くなられた方々で、いたたまれない気持ちでこの日まで過ごしていたこともあり、全員で大悲呪を読経。

午前中は船越地区の青少年の家へ向かう。前日に体育館で過ごしていた避難者は、2・3階の個室へと移動されたとのこと、プライバシーが保たれた空間が確保されている。
空いた体育館で行茶スタンバイ。「お茶やコーヒーのサービスがあります」との館内放送で、100名ほどの方々が次第に集まる。体操マット?の上で膝を交え、和やかな雰囲気に。

コーヒーの提供
コーヒーの提供

体育館でのサービスが一段落し、館内放送を聞き逃した方々もいるかも、ということで館内を一巡。3階の読書コーナーに数人、コーヒーを出前サービスすると、近日中に近隣の小学校が校舎代わりにこの施設を使うので、避難者の立ち入りエリアが制限
されるとのこと。日当たりもよく、この読書コーナーを気に入っていたという男性も寂しげだが、致し方ないという表情。ちょうどこの日は、それまでの断水が復旧し避難者からの歓声があがる。

お昼に龍泉寺様に戻ると、宗務所VCから預かりものを持参されたお二人(「祖録に親しむ」にも度々参加された江刺の松森師も)が来寺。行茶活動への関心を示され、今後に向けて方丈様と相談の場に同席させていただく。その他にも、行茶や傾聴活動に関心を寄せられている御寺院様との接触もあり、地元・岩手御寺院様との連携は、今後の継続的活動に不可欠でその展開に期待。

長野チームがお昼に帰県され、午後は5人体制で船越保育園と近所の船越防災センターの二手に分かれ、秋田組は保育園へ。
これまでに比べ、こじんまり且つ子どもが多い場所での行茶となりホットカルピスやココアが多く出る。行茶サービスの合間に、子どもの遊び相手をせがまれ、そういう人員の必要も感じる。
避難所と、制限付きながら保育所との両面の役割を果たしている同保育園の職員さんには、疲れの色が見える。
やがて保護者のお迎え時間となり、子どもがぐっと少なくなると残った2人は寂しげ。
子どもに限らず、被災者との会話の流れで「家族は?兄弟は?」との流れになりつつある時、もしかして津波の犠牲に…と思うとうかつに聞けない場面が度々あり。
防災センター組が早めに切り上げ保育園に合流、子ども達としばしオセロやサッカーに興じ、予定の時間より少し遅めになり、保育園を後にする。

避難所でもある保育園にて、行茶の後サッカーに興じる
避難所でもある保育園にて、行茶の後サッカーに興じる

龍泉寺様に戻って後片づけの後、秋田へ向けて出発。
途中、大槌の吉祥寺様に立ち寄るが、避難所運営の会議中のためお寺の玄関にて自治会長さん(先日の足湯の際、ステキな笑顔で写真に写っておられた方)とごあいさつ、手土産だけ渡して失礼する。

以上、正味二日間の駆け足での滞在でしたが、行茶活動の手応えと今後の展開の可能性を感じてまいりました。