平成28年度 随聞会研修旅行

今年度の随聞会が行われました。下述、松井祐司兄の感想文を持って報告します。

『随聞会に参加して』

過日2月26日から2月28日にかけて行われた研修「随聞会」に参加をさせて頂きました。今までにない25人というたくさんの参加、今の秋田県曹洞宗青年会の勢いを表しているように感じました。

初日は秋田空港から生憎の雨の中、大本山永平寺へ向かいました。自分にとっては瑞世以来、9年ぶりですが、遙かな歴史のある大本山永平寺にとっては「たかが9年」厳かな佇まいは何も変わっていませんでした。丁度新しい修行僧が上山する時期、我が身を振り返って、姿は見られませんが地蔵院・旦過寮で指導を受けているであろう暫到和尚さんに「がんばれ」とつぶやきながらの上山となりました。

夜は大衆と共に本講、中西単頭老師からご提唱を頂きました。素晴らしい講義を現役の修行僧と同じ空間で受けさせて頂けるという有り難さ、法要随喜とはまた違った緊張感と、終わった後の清らかさを頂戴しました。

2日目、早朝4時起床、暁天坐禅朝課、不老閣拝問・監院寮添茶を頂き、小食の後下山するという修行時代を思い出すような目まぐるしいスケジュールを終えて、大本山永平寺を後にしました。

15不老閣記念撮影
 
昨日とは打って変わって快晴の上天気、ガイドさんの軽妙なお話しを聞きながら能登半島へ、總持寺祖院を拝登させて頂きました。平成19年に起きた能登半島地震により伽藍が大きなダメージを受けたこと、平成32年の全面修復に向けて宗門寺院の協力を頂きながら復興の歩みを進めていること等々、知客老師よりご説明頂き、瑩山禅師様の思いが込められた總持寺祖院の1日も早い復興を祈りながら、中村会長が導師の元、諷経を上げさせて頂きました。

23祖院法要

24祖院記念撮影

26祖院拝観

最終日、宿泊地金沢市を出発、富山県高岡市にある前田利長公菩提所・名刹瑞龍寺を参拝させて頂きました。七堂伽藍は本山と見間違うほどの規模。国宝に指定されている威厳に満ちた伽藍建造物の姿に圧倒され、加賀120万石を築いた前田家の、権力や財力だけではない信心の深さに只々溜息しか出ませんでした。

33瑞龍寺

34瑞龍寺記念撮影

帰りの飛行機で随聞会の余韻に浸る中、脳裏をよぎる思いは一言「初心」でした。志を同じくする先輩や仲間達と共に3日間ご一緒させて頂き、坐禅を組み、手を合わせ祈り、本山や古刹の空気を全身で感じさせて頂きました。それは、何も分からず、それでも只ひたすら勤めていた修行時代の自分自身と重なり、言葉だけではない本当の「初心」を感じることが出来た素晴らしい経験でした。企画をして下さった秋田県曹洞宗青年会執行部の皆様へは改めて感謝申し上げます。

11教区 長年寺副住職 松井祐司 九拝