令和元年度 弁道会 

日程:6月26日(水)
会場:曹洞宗秋田県宗務所 禅センター
講師:倉島 隆行 師
  (三重県四天王寺 全国曹洞宗青年会顧問 全日本仏教青年会理事)
   成田 淳教 師
  (東京都感応寺 全国浄土宗青年会 全日本仏教青年会理事長)
内容:「今、仏教とお寺に求められていること −現代の僧侶を考えるワークショップ−」

青年会会長を導師としての開講式の後、講師より未来の住職塾や全日本仏教青年会の活動やワークショップの意義、ご自身の活動等についてお話を頂いた。
倉島師からは〝宗派を超えて、また葬祭業者も参加したワークショップを行うと、我々宗侶のような無意識の予定調和がないため、耳の痛い事も聞けて気付きが多い。《何が求められているか》をつかめる〟〝秋田市の平和公園で、永代使用料一万七千円の合葬墓に申し込みが殺到する様子が大々的に報道された。地元の仏教界はなぜ声を上げないのか?〟と鋭い御指摘があった。成田師は飄々とした語り口で、〝寺院の檀務や風習は、地域差よりも宗派の違いが大きいと感じる〟〝僧侶は話し過ぎに注意。法話は五分以上・七分以内に収めるように教えられた〟〝教区の寺務もしているが、思い切って僧侶派遣業への参入を進めている〟と、これまた受講者を驚かせる取り組みを話された。
その後、6班に分かれて自己紹介(チェックイン)を行い、各テーマについて説明を受け、ワークショップへと移った。

テーマ①
理想的僧侶・寺院像
 ~つながり・受容・想像を意識しつつ、理想的僧侶像・寺院像を挙げる
  ⅰ)理想とする僧侶の心構え
  ⅱ)理想とする僧侶に必要な技能
  ⅲ)理想とする寺業・活動・環境

テーマ②
  理想像に至るための研鑽方法
   ~理想像に至るための僧侶の研鑽方法・寺院の運営などを挙げる

上記二つのテーマについて各班が対話を行った。
まず一人一人思ったこと、考えたこと等を挙げて付箋に書いて表に貼り出し、
その内容や不足していることを口頭で説明し、同じだと思われることや付け加えるべきことなど更に意見を深めていく。
決して相手の意見を否定するのでは無く、一人一人の意見を尊重し受け入れることを目的とした話し合いの中で、各々ワークシートを完成させた。
ファシリテーターと呼ばれる各班の進行役が代表となり、一班ずつ自分の班の意見をまとめて発表し、それらを踏まえた上で、一人一人が自分の中で固まった理想の僧侶・寺院像を再びワークシートにまとめて終了となる。
終始対話の声が途切れず、僧侶・寺族・一般参加者の敷居無く進行し、教区の垣根も越えて意見が交換される非常に濃密な弁道会となった。