8月31日
釜石から車で約15分、大槌湾を左手に見ての釜石市箱崎地区仮設住宅談話室にての傾聴活動。
活動者: 久米弘道師、新川泰道師、村松玉宗師、近藤俊彦師、岩曹青8名、静岡曹青1名
所感:
通常、仮設住宅は抽選にて当選した方々が、とある地区の集合住宅に入居するもので、お隣りがドコの誰かも分からないというのが一般的であります。
そういった入居初期のコミュニケーション作りのお手伝いをするのが行茶活動の目的の一つでもあります。
しかしながら、この箱崎地区は市内から遠く不便な為元々この地区にいた被災者しか入居せず、コミュニケーション作りは不要な状態でありました。
しかし、その不便さがボランティアの活動の盲点になり、住人の声が吸い上げられない状態にありました。午前に訪れた談話室では、男性2人、女性8人、子供2人が集まってくださり、行政への希望の声をお聞きしました。
ご主人を大仙市の斎場で荼毘に付した女性もいらっしゃったり、3月11日の傷の深さを改めて感じさせられました。
報告者:久米弘道師
9月1日
活動地:釜石市・日向地区仮設住宅談話室A・D棟
内 容:行茶活動
活動者:新川泰道師、佐藤善廣師、大佐賀正信師(以上、秋曹青)、岩曹青8名、全曹青庶務・伊藤和貴師(静岡)
住民の声、要望など:
・ご主人が津波に呑まれて行方不明という独居女性、葛藤を抱えつつ死亡認定や保険等の諸手続をし、高齢の母を施設に預けて新盆を過ごした後で体調を崩し、精神的にも疲れが。しかし同席しているご近所のお二人に再三助けられたと涙ながらに語られた。
・「仮設住宅の中に一人でいると、圧迫感がある。」
・「うちの仮設は、談話室で何かやっても人が集まりにくい。ここは和やかでいい雰囲気」(D棟の知人
を訪ねてきたA棟に暮らす女性の声)。偶然かも知れないが、それぞれの仮設による住民気質の相違にも今後は目配りが必要か。
・着物や帯をリサイクルを行っているサークルから預かった綿入れ半纏を手に取り、「材料と裁縫道具があれば私も作りたい」との声。他にも「浜のミサンガ」(津波で使えなくなった網を女性達が手作業で加工、販売するプロジェクト)に加わっている女性が二人おり、仮設でもできる趣味と実益を兼ねた“内職”への関心は高い。
所感:
・まだ行茶を実施していない仮設で、というボラセンの意向から当初予定の栗林第4仮設に向かうも、入居者がまだ1家のみ、他団体との兼ね合いで調整が難しいが、入居率などの情報把握となるべく早い段階での実施場所の確定が望ましい。
・前日と同様、3.11当日の体験を語り合う姿が多く見られた。震災発生から半年近く、まだまだ語りきれない思いを抱えておられることをあらためて実感した。
・岩曹青の石亀師にブドウをたくさん持参していただいた。フルーツがあると見た目もよく、住民に好評であった。これからも季節に合わせて用意すべき。
・今回は久しぶりに男僧のみの人員からか?サロンへの男性来場者はほぼ皆無、テレビを見るぐらいしかすることがなく籠もりがちとの声もある。男性を引きつけるプログラムも考慮する必要あり。将棋・囲碁などの用意も必要か。
・雨のため短時間のみの実施であったが、談話室入口にてアウトドア用テーブルを設置してのお茶提供は「客寄せ効果」が見受けられた。「今日は何かやってるな」と思わせる更なる工夫を検討。
・学生グループのサロン活動は9月下旬で撤退、秋から冬にかけて関東以遠からの支援団体は減少が予想される。なるべく県内・近県からの継続的な活動が望まれていることから、解散前にボラセンスタッフと岩手・秋田曹青でミーティング。隔週で曜日を定めたローテーションを組むなどの体制を検討するとのこと。
・ほうきやちりとりがない談話室がまだ多いので、当方で持参すべき。
報告者 新川泰道師