さる二月十七日未明に浸水被害のあった秋田市茨島二丁目において、同市社会福祉協議会のもと、二十一日と二十四日の二度、ボランティア活動に従事した。
二十一日午前は会員四名で、社協職員・一般ボラと共に、主に六十代男性宅の家財道具の搬出を行なった。床上二十センチまで浸水したとの事で、多くの書類・雑誌・段ボールが水を吸っていた。またテレビや冷蔵庫も処分しなくてはならず、このお宅の廃棄処分ゴミは四十五ℓゴミ袋で三十袋分に達した。午後から会員がもう二名参加し、同じお宅の畳を剥がした部分を清掃し、バスタオルを敷いた。後は業者による消毒待ちとの事で、ここで終了となった。
二十四日午前は会員四名・社協・一般計約十名が三班に分かれ、各浸水家屋の清掃・家財の搬出や仕分けを行なった。床下浸水だと家具自体は無事だが、畳を剥がして消毒する必要上、沢山の食器や皿が入った収納ボードも移動させなくてはならない。搬出の為には食器を全て取り出し、割れないように梱包する必要があり、かなり時間を取った。この日伺ったお宅では写経や掛軸を多く保管しており、我々が僧侶だと知ってお焚き上げを依頼され、不思議な御縁を感じた。午後は会員二名・一般四名で同じような作業に従事した。
今回の浸水は、雨水などを河川へ流す下水道の水門が故障し、結果排水されずに道路に溢れ、住宅十二棟・空き家一棟が被害を受けたものである。この地域は、目と鼻の先を国道十三号線が通り、商業施設も多い。ごく局所的な被害ゆえ、多くの人や車が気付かずに目の前を行き交う現実に、遣り切れなさを感じた。 (佐々木耕志)