○活動日時 2月10日(日) 吉祥寺様(大槌町吉里吉里)
○活動内容 「いのちの総合相談会」(主催:NPO法人蜘蛛の糸)の運営補佐および行茶活動
○参加者 三浦賢翁師、佐々木孝洋師、嵩祐悦師、高橋孝順師、新川泰道(以上秋曹青)、他岩手・秋田・青森のカウンセラー、傾聴ボランティア等総勢約20名
前日は釜石にて上記メンバーによる被災地支援シンポジウムが開催され、大槌町小槌の小川旅館に宿泊。震災にて建物を失い、蜘蛛の糸理事長の佐藤久男氏の助言もあって昨年8月に現在の地で再建した同旅館のおかみさんから震災以降の経緯を聞き、今回の相談会への意識を新たにして会場の吉祥寺様へ。
会場準備も整い10時スタート、開始時刻に合わせていつもの見慣れた方々が徐々に来訪。
最初に花巻からの音楽療法ボランティアグループによる歌と手や指を使ったレクレーションから。その後、秋田から持参のバター餅や手作りの麦巻き等をお茶請けにお茶やコーヒーを提供し、和やかな会話の中には込み入った内容の相談もあり、必要に応じて別室で個別対応も行う(二重ローン、住民間格差、土地登記、家族間の問題など)。
当地では小正月に手作りのアメを先祖に供える習慣があるとの話題も相まって、嵩師持参の「大館アメッコ市」で購入したアメが好評、「アメッコ市の飴を食べると風邪をひかない」との言い伝えもあることから、おみやげとして持ち帰りされる方も多数。
またリンパマッサージやハンドマッサージ等のメニューも、来場者との交流に効果を奏する。
外部からの支援が仮設住宅に向きがちで、かろうじて自宅が無事だったものの、家族や仕事を失った被災者への支援が乏しいとの声もあって、あえて「お寺を会場に」との企画として行ってきたが、今回の来場者にも自宅手前まで津波が来襲、居住は可能だったが娘さんが今なお行方不明という方が。
これまでも「『あなたは家が無事だったから…』と言われ、辛い思いを吐き出す場がなかった。
仮設の人も自宅に住んでる人も、いっしょに参加できる機会があってよかった」とのこと、
総じて、復興格差や住民意識の差、行政へのグチ、遺族ケアの問題など、震災から2年近く経った現在の葛藤があらためて感じられ、深い悲しみを背負いながら耐えている方の声を耳にし、このような場がまだまだ必要なのではと考えられる。
ちなみに吉祥寺様ではこの日、主に震災で亡くなった方の3回忌供養で11件のご法事。
ご多用の中も合間を見て会場となった客殿にお顔を出していただき、この日の来場者の状況を当方と確認しながら会話に反映させるなど、寺族さんや護持会長さんの存在も含め、お寺と外部支援者との連携から生まれる効果は、被災地の中でも重要ではないかと再確認する。
一方で「檀務をはじめ、目の前のことで精一杯」という吉祥寺さんの事情も考慮しつつ、負担軽減を図る必要は論を待たない。
午後3時、来訪者も一段落して撤収、スタッフによる振り返りでは音楽療法のような「みんなで楽しむメニュー」と「個別の対応」が必要なメニューとの棲み分けも必要ではないかとの声もあった。
その後、同町・江岸寺様に立ち寄り現状や来月の3回忌法要に向けてのお話を伺い帰路につく。