講師: 菊地亮道 老師(黄龍寺住職)
演題: 「お袈裟の護持」
平成21年7月2日午後3時20分より 会場 歓喜寺(秋田市)
7月2日、前日よりの現職研修会に引き続き、歓喜寺様に於て弁道会が開催されました。黄龍寺住職 菊地亮道師を講師にお迎えし、「お袈裟の護持」と題しご講義頂きました。
師はまず、僧堂安居中 に比べて雑になりがちなお袈裟の扱いや、「衣」、「大衣」などお袈裟をいう言葉でありながら、直綴のことと混同、誤用している我々の認識を改められまし た。その上で、仏弟子であることを示す衣に水田の形をお釈迦様自身が望まれたという話より、世界の宗教で祖師が着るものを定めたのは仏教だけであり、その 児孫である我々には、坐禅とお袈裟しかないのだと、その大事なることを説かれました。そしてお袈裟を縫うことが何より尊いことだが、購入したものであって も、その功徳は変わらないとして、その護持のかたちとして「點浄」することを勧められました。新品にあえて汚れをつけることで、世間の価値観を超越した、 人間の欲望の対象にならないものにすべきが、糞掃衣、割截衣と呼ばれるお袈裟の本来であることを示されました。
師は手づからのお袈裟袋を聴衆の為に持参されるなど、まさに法、財二施の講義でした。
筆:智信師 画:泰賢師