第26回 随聞会

演題 「仏教と食と子育てについて」
〜いのちを大切にする心を育てるために〜

講師 佐藤達全 老師

平成20年11月11日13時より
於・観喜寺様(秋田市下北手)

 今年の随聞会は今年度のテーマ「仏教による幼児・児童教育」に基づき、佐藤達全老師をお迎えし、ご講義を頂きました。 師は保育、食育、特に仏教保育がご専門で、大学で保育士を目指す学生の指導をなさっています。 仏教と「いのち」について、現代社会の教育・食事における問題点、そして「いのち」と向き合う食の大切さをお話しされました。

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 現代社会は核家族化、携帯やゲームなど直接体験の不足によって命と死が分かりにくくなっている。
仏教は命を見つめ、そして大切にするための教えである。
教育とは教え込むのではなく、導き出すことである。“因”があっても“縁”が整わなければ出てこない。
周りの環境を整えて、子供が主体的に芽を出そうとするのを引き出すことである。
親と子が共に育つ“共育”、親とこの心に響く“響育”を。

 食事はいのちと向き合う最良の場である。作ってくれた人、食材への思いやりの気持ち、感謝の気持ち、そして周りに対する配慮を育てていく。
食べる場、食事の準備、片付けや、24時間の生き方が消化や吸収を作用する。食事は生き方につながるのである。
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 尚、今回は観喜寺様を会場に行いました。
以前より随聞会は秋田市寺町にあった観喜寺様を会場にお借りして行っておりましたが、観喜寺様の移転、新築工事により昨年度はホテルでの開催となっておりました。観喜寺様のご配慮により、今年は秋田市下北手に目出度く新築なされたご本堂、客殿をお借りしました。有り難うございました。


開講式


佐藤達全 老師




◎佐藤達全老師プロフィール
群馬県高崎市生まれ。駒澤大学大学院博士課程修了。
現在、育英短期大学教授、鶴見大学短期大学部講師(仏教保育担当)、曹洞宗群馬県常仙寺副住職。
著書「典座教訓」(教育社) 「食の名言辞典」(東京書籍) 「道元・日々の生き方」(大宝輪閣) 「仏教を歩く」(朝日新聞社)等多数