能登半島地震被災地訪問

 6月26日 秋曹青会員4名参加(亀谷会長・久米副会長・鷹照V委員長・新川事務局次長)
先日の托鉢の浄財を直接お届けし、スタッフの方より地震発生よりこれまでのお話を伺いました。
また、石川県曹青の方と一緒に被災地を訪問しました。


輪島市社会福祉協議会・門前支所にて托鉢の浄財を届ける亀谷会長


災害復興支援ボランティアセンター(輪島市社協内)スタッフの皆さんと


センター内の“復興”祈願ダルマ


輪島市門前・舘地区の仮設住宅内にある集会所。


お茶会の様子。秋田から持参したお茶菓子が思いのほか好評であった。
 能登半島地震 被災地支援托鉢募金および被災地訪問の報告
秋曹青ボランティア委員長  鷹照悟堂

 6月25日夜、亀谷会長、久米副会長、新川事務局次長、そして私の4人で能登をめざし秋田を寝台特急で出発。去る6月14日に県内3地区で実施した能登半島地震被災地支援托鉢募金に寄せられた浄財を、石川県の輪島市社会福祉協議会門前支所(以下、門前社協)に届けるためである。

 26日朝に金沢到着、レンタカーにて能登・門前を目指す。門前が近づくにつれ被災した建物等が目に入り出す。屋根にシートがかけられていたり、すでに建物が解体され更地になっていたり、復興に向け重機が動いている様子を見ながら門前社協に到着。会長から秋曹青の托鉢募金の主旨を伝え、持参した浄財をセンター長に受け渡す。職員の方から地震発生より今日に至るまでのお話を伺った。お話の中に、曹洞宗の青年宗侶によるボランティア活動に感謝の言葉が何度も聞かれた。そしてこれからも、曹洞宗の青年宗侶によるボランティア活動に期待されていることを感じた。

 門前社協を出発、総持寺祖院に向かう。写真でしか被災の様子を見ていなかったため、実際に山門、僧堂、法堂、石垣など境内地を見て回ると被害の大きさを改めて感じた。秋曹青からのお見舞い金を受処にて受け取って頂いた。

 祖院にて全曹青の面々と合流、仮設住宅へ。秋田から持参した「煉屋バナナ」「さなづら」と共に“行茶”活動に向かう。この活動は地震直後から各避難所にて実施され、被災者の不安を軽減し、生の声を収集するのに大きく役立ったとのこと、仮設住宅移行後も、地元・石川曹青会員を中心に継続されている。

 仮設住宅の集会所にて、集まって頂いた方々にお茶を出しながらお菓子を勧める。「大館はバナナが名産なの?」という質問にピンチに陥るが、会長の助け船で何とか乗り切る。秋田の話など世間話が進む中、新川さんが昨年「随聞会」ボランティア研修で行った「秋田はなまる元気アップ体操」の、指の運動を皆さんと始めた。「あらら〜ふしぎじゃの〜」と一生懸命1から10まで数えながら、左右の指を動かした。なかなか出来ない…。集会所からの帰り道も指を動かしている方が見受けられた。今回は2カ所の仮設住宅で行茶活動を行わせて頂いた。

 祖院に戻り全曹青前ボランティア委員長・米澤智秀師から地震発生後に現地入りしてからのお話を伺った。ボランティアセンター(以下、VC)に出入り出来るようになるまでの苦労話、被災地での活動などを聞き、その中で特筆すべきは、祖院の目の前ということもあって、曹洞宗の僧侶に対し被災された方々からは信用があり、困りごとやたくさんのニーズが、一般のボランティア以上に曹洞宗の青年僧侶により聞き取られ、VCに伝えられ対応していただいたとのこと。また祖院修行僧が定期的に行う托鉢を、地震後一時中止していたそうだが、被災者の方々から「仮設にも托鉢に来てくれるのだろうか」という声が祖院に伝えられ、細心の注意を払いながらも実際に托鉢を行ったところ、被災者の方々が涙ながらに“喜捨”されたとのことであった。

 祖院を出発し金沢駅で寝台特急に乗り、秋田を目指す。乗車後、今日のこと、これからのこと、遅くまで小声で語り合う。車中2泊の旅の終わりを27日朝迎えた。


 被災地で曹洞宗の僧侶がこれだけの活動が出来たのは、その地域で築き上げてきた総持寺祖院との信頼関係があったからだと思われます。地震発生後も、曹洞宗の僧侶によって築かれた信用もあります。私たちはその築き上げてきたものを預かり、大切にし、伝えていく責任があると思います。

 秋曹青では今年度ボランティア委員会が設置されました。まだ設置されたばかりで方向性もはっきりしていません。その中で今回行った托鉢・被災地の訪問に対して、皆さんからの意見を頂戴したいと思います。災害に対するボランティアだけにとらわれるつもりはありません。皆さんからの意見を寄せて頂いて、今後の活動を築き上げて行きたいと思います。